TISSUE TISSUE BOY

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2021年8月。静まり返る車内、残された2人。フロントガラスは曇り、雨は降ってないが湿っぽい。VoハルロヲとGt中本工事は、それまでやっていたバンドを解散させ、もう一度車を走らせる事にした。もうそこには昔の戦友はいない。 ひょんなことから尾崎という男と会う。 彼が位相オタクのティーネイジノイズテラーとは、まだ誰も知らない。劣等感によりセンシティブな内側から出る澄んだメロディーに惹かれ、２人は彼をギターに任命した。誰も頼んではいないが、思考傍受を理由にアルミホイルを頭に被る。おもしろい人間だ。 理想のドラマーとは？新たな出会いを求めたが、ハルロヲがVo&Drに挑戦する大勝負に出た。ドラムは素人だか、欲しいドラミングはわかっていた。何よりスピード感が欲しかった。 3人は当てもなくスタジオでアイデアを捻り出す。想像の向こう側へ連れていってくれるグルーヴが欲しかった。 2021年10月、気心知れたベーシストがいたので誘ってみると、あっさりと二つ返事が返ってきた。Baたつや 加入。とにかく可愛い。彼が後に風の魔術師になるとは、この頃はまだ知らない。 4人は歌った。 宇宙の片隅から愛を振動させる。 どうしようもないあの頃の自分を抱きしめる。なけなしの1000円札を握りしめて向かったライブハウスで、君と会う。 ティッシュティッシュボーイの結成。 愛と勇気の大脱走の始まり。