日頃よりサービスをご愛顧いただき、深く感謝申し上げます。サービス開始10周年を迎えた2023年も、TuneCore Japanは音楽ディストリビューションサービスをコアとしながら、アーティスト/クリエイターをサポートするため様々な企画やプロジェクトにも取り組んでまいりました。
初のアワードを開催 & 地上波番組放送
2023年6月に開催したTuneCore Japan初となるアワード「Independent Artist Awards by TuneCore Japan」では、過去10年間のデータをもとに11の部門にわたってノミネートアーティストと作品を選出・表彰、さらにそれぞれのグランプリを決定しました。その選出対象や基準など、前例のない全く新しいアワードとして話題にもなり、さらに、アワードと連動する形で地上波初インディペンデントアーティストにスポットライトを当てたフジテレビの新音楽番組「M_IND」にて、ノミネートアーティストのパフォーマンスが放送され、SNSのトレンドに入るほどの反響となりました。
二次創作を通じ音楽クリエイターエコノミーを支援するプロジェクト「Rework with」
世界への楽曲配信が「普通」のこととなった昨今、アーティストの音(作品)を軸にセカイ中のリスナー、クリエイター同士や作品のセカイ感を紡いでいくことで、ただ音楽を届けるだけではなく、より一層音楽活動が円滑になり、広がるサービスを目指すべく、“Artist First”のスタンスはそのままにスローガンを新しく「あなたの音楽でセカイを紡ぐ」とアップデート。まさにそれを象徴する企画として、プロジェクト「Rework with」を始動しました。クリエイター同士が素晴らしい作品を紡いで、収益も全ての権利関係者に按分されるという二次創作の新しいリリースの形を実現。その第一弾では、一青窈とコラボレーションし、今なお愛される名曲「ハナミズキ」とともに「Rework with ハナミズキ」を実施し多数のアーティスト/クリエイターに参加いただきました。
動画クリエイターと音楽アーティストとをつなぐ「TuneCoreクリエイターズ」
音楽クリエイターエコノミーがさらに広まることを目指し「TuneCoreクリエイターズ」をローンチ。動画クリエイターは音楽を使いやすく、また音楽アーティストは自分の楽曲が使われやすくなるよう、両者がクリエイティブを“紡ぎあえる”仕組みを開発し、提供開始しました。
インディペンデントアーティストの楽曲も簡単にカラオケで
また、音源と歌詞さえあれば誰でも自身の楽曲をカラオケ(JOYSOUND)に配信ができる新サービスも提供開始し、今まで以上にインディペンデントアーティストの楽曲を、より多くのファンが歌い、楽しめるようになりました。
2023年は155億円をアーティストへ還元額
2023年のアーティストへの還元額は、155億円となり、126億円であった2022年の+21%の成長となりました。ダウンロード-9%や、リングトーン-5%減額するなか、ストリーミングは+18%と順調に伸びました。国内でのストリーミング再生数シェア、還元額で3位を昨年より維持しており、サービスローンチから累計で547億円となりました。また、海外からのTuneCore Japanアーティストへの還元額は19億円を超え、その割合は全体の約13%(前年12%)となり、過去最高額となりました。その成長の要因としては、成長著しいショート動画による海外でのバイラルによる再生数の増加や、新規で追加されたMelon(韓国)、Vibe(韓国)ストアなどからによるものとなります。
躍進の続くTuneCore Japan発のアーティスト
2023年もTuneCore Japanを通じてリリースされた楽曲、そしてそのアーティストが様々なシーンで破竹の勢いを見せました。年間Billboard JAPAN “TikTok Songs Chart” で見事1位に輝き、33週以上連続でのチャートインを果たした、HoneyWorksの「可愛くてごめん(feat. かぴ)」をはじめ、「オトナブルー」の首振りダンスで社会現象を巻き起こし、海外の音楽フェスにも進出しNHK紅白歌合戦でも存在感をみせた新しい学校のリーダーズ、ストリーミング累計1億回再生を突破し、Apple Musicで週間総合ソングランキングで1位獲得の快挙を果たした百足&韻マン「君のまま」、同じく「ランデヴー」がストリーミング累計再生回数1億回に達し、地上波にも次々と出演したシャイトープ、Billboard JAPAN “ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20” 歴代最多首位を更新した原口沙輔「人マニア」、ヒップホップアーティストとして日本の音楽史に残る東京ドームライブを成し遂げたBAD HOPなど、枚挙にいとまがないほど、多種多様なジャンルで本当に多くのアーティストが活躍しました。さらに、「W/X/Y」が2022年にもっともストリーミングされた楽曲となりチャートを席巻したTaniYukiや、ボカロシーンでトップに上り詰めたKanariaなども引き続き大きなファンベースを持ち、その作品は新譜旧譜を問わず音楽ストリーミングで聴かれ続けています。
音楽市場の動向とTuneCore Japan
音楽市場全体の動向に目を向けると、引き続き日本国内および世界でともに成長しています。国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した2023年世界の音楽市場の売上は286億USドル(前年+10.2%)と過去2番目の成長率を記録。音楽配信においては、ダウンロード市場は前年に続き縮小傾向となっていますが、ストリーミング配信が引き続き国内外で伸び続け市場を牽引、一般社団法人日本レコード協会が発表した2023年国内の音楽配信売上の合計は1,165億円(前年+11%)[*2]、中でもストリーミングの売上は日本国内で1056億円になりました(前年+14%)[*3]。また特質すべきは、IFPIのレポートによる日本のデジタルミュジーックの市場はドイツを超えて4位になっており、またCD売上げも伸びているのですが、ストリーミング、ダウンロードとその他デジタルの売上を足すと、CDのみの売上(ビデオのDVD、アナログレコードを除く)を初めて超えております。これは、一旦のCD売上げの下げ止まりと、さらなるストリーミング時代への転換期だといえます。IFPIによると、世界の音楽ストリーミングサービスへの課金ユーザーは6億6700万人に到達し、前年+13.2%となっています。[*4]、ストリーミングの売上は世界で193億USドル(前年比110.4%)[*5]と伸長しています。
そんななか、世界のインディペンデントアーティスト・レーベルの団体、Worldwide Independent Network (WIN) は昨年のレポートで、インディペンデントによるマーケットシェアーは少なくとも40%を超えており、新譜の80%は彼らによるものとレポートしております。TuneCore Japanの利用者の成長率は、市場平均の成長率を上回っていることにより、日本国内でもインディペンデントアーティスト、レーベルの躍進が続いているといえます。
2024年もインディペンデントアーティストが活躍できるセカイを目指して
2024年もアーティストのみなさまがより使いやすいサービスを目指し、さらなる開発・改善に取り組むとともに、様々なプロジェクトや企画(「NEOWN: THE GOLDEN」「FUJI ROCK FESTIVAL’24 『ROOKIE A GO-GO』ステージ出演オーディション」「Rework with」第二弾 など)も積極的に展開し、今まで以上にインディペンデントアーティストが活躍できるセカイを目指していきます。
― TuneCore Japan チーム一同
*1 Oricon Research Inc 統計情報より
*2 *3 一般社団法人日本レコード協会 統計情報より
*4 *5 IFPI Global Music Report 2023 より