『Shazam』と『和田アキ子』の関係が気になる。

2015/05/21
by Takashi Watanabe

 
 

『Shazam』と『和田アキ子』さんの関係が気になっています。

 
突然ですが、『Shazam』と『和田アキ子』さんが気になっています。
 
スマートフォン向け音楽検索アプリ『Shazam』。日常生活の中で『あれ?この音楽何だっけ?』と思ったとき、その場でアプリを立ち上げて楽曲を調べることが出来る、とっても便利なサービス。
 
先日、そのShazamが提供している『邦楽週間チャート』を眺めていると、ふと気づいたことが。
 
 

Shazam Japan 邦楽週間チャート

 
※ 集計期間 2015年5月5日ー2015年5月11日
 
1.   私以外私じゃないの - ゲスの極み乙女。(2015)
2.   もしも運命の人がいるのなら - 西野カナ(2015)
3.   ありがとうForever... 西内まりや(2015)
4.   あなたに恋をしてみました - chay(2015)
5.   LOVE - MACO(2015)
6.   Sun - 星野源(2015)
7.   愛唄~since 2007~ - whiteeeen(2015)
8.   Beautiful - Superfly(2015)
9.   Slow & Easy - 平井大(2015)
10. 古い日記 - 和田アキ子 (1974)
 
なるほど、なるほど。やはり今まさに流行っていると楽曲がShazam検索チャートでも上位なのだなぁ。
 
たしかに『iTunes チャート』や『レコチョクチャート』で人気の楽曲が上位に来ているもんなぁなどと思っていると...
 
1974年に発売された和田アキ子さんの『古い日記』が、10位にランクインしているのを発見!
 
 
トップ10のうち9曲を今年リリースされた楽曲が占める中、突如チャートに現れた40年以上も昔の和田アキ子さんの名曲。
 
これは絶対何かあるはず!ということで、TUNECORE JAPAN リサーチを行ってみました。
 
 

そもそも『Shazam』って?

 
本題に入る前に『Shazam』についての少し詳しい説明を。Shazamは、Shazam Entertainment Ltd. が運営するスマートフォン向け音声検索アプリ。スマホに音楽を聴かせるだけで、今流れている楽曲の曲名やアーティストを瞬時に教えてくれる非常に優れたサービスです。
 
今年3月から日本国内での週間チャートデータの提供を開始しており、現在Shazamオフィシャルサイトではジャパン総合チャートTOP100が公開されています。また総合チャートに加え、国内における邦楽・洋楽それぞれのTOP20のデータも一部に提供を始めている模様。
 
そして今このShazam音楽チャートが、今までのセールスチャートと異なり、生活の中で流れている音楽が『どれだけ検索されたか』に焦点を当てた音楽指標として、密かに注目を集めているのです。
 
 

『古い日記』に注目が集まっている理由

 
さて、話を和田アキ子さんの『古い日記』に戻します。色々調べてみると、とある商品のテレビCMによる効果が大きいことが分かってきました。
 
今年の3月から放映されている、サントリー『黒烏龍茶』のテレビCMです。
 
 
オーストラリア出身の世界的スーパーモデル『ミランダ・カー』さんが出演し、『とんかつ』や『チキン』を頬張るというユニークな演出も話題CM。
 
このCM内で、和田アキ子さん『古い日記』の『替え歌』が使われているのです!
 
替え歌をうたっているのは、女性シンガーソングライターの『Mayu』さん。1994年生まれの、次世代ソングライターとして注目されているアーティストです。
 
 
 

みんなどこで検索しているの?

 
テレビCM効果があることは分かったものの、一連の『古い日記』現象、不思議な点が1つあります。
 
自然に考えると『和田アキ子 - 古い日記』がShazamチャートで上位 → みんなが曲を聴いて気になって検索している → 今どこかで『和田アキ子 - 古い日記』が大量に流れている → サントリーCM、という仮説に行き着きます。
 
ただし、サントリー『黒烏龍茶』テレビCMで流れているのは『古い日記』の替え歌です。これをShazamで検索した場合は、実際に楽曲を歌っている『Mayu』さんの替え歌が、検索結果として表示されるはず。

しかしながら、今回は『Mayu』さんの楽曲自体が『Shazam』データベースに登録されていないため、検索結果には表示されていません。かといって、
原曲にあたる和田アキ子さんの『古い日記』がヒットしているわけでもない。
 
 
となると、この和田アキ子さんの『古い日記』はテレビCM以外の場所で流れていて、それを聴いて気になった人たちがShazamで調べているということになります。
 
2015年5月現在、日本全国のどこかで、サントリーCMと時を同じくして和田アキ子さんの『古い日記』を頻繁にかけている場所がある、そこで『Shazam』で検索している人たちがいる、ということですね。これは気になる。。。!
 
気になりすぎて、Shazamへ直接問い合わせを行ってみると、
 
"和田アキ子の曲は5月6日に一瞬検索数がピークになり、その後13日にも同じことがありました。これは間違いなくテレビ番組の露出パター ンだと思いますが、何の番組か分かりません。私も気になりますので、何か分かったら教えてください。"
 
との回答。
 
それを踏まえ、両日のテレビ番組を調べてみると、
 
5月6日に放送された『NHK - 趣味Do楽』(藤岡弘さんと和田アキ子さんがスマホを学ぶ番組)では、ご本人がShazamを実際に使用するコーナーがあったり、5月13日に放送された『スカパー!音楽祭 2015』では、和田アキ子さん×有安杏果さん(ももいろクローバーZ)として『古い日記』をコラボ歌唱したりと、やはり『和田アキ子・古い日記』ともに地上波露出があった模様!
 
なるほど。なるほど。テレビCMで『古い日記』が気になっていた人たちのアテンションが、6日と13日のテレビ番組・音楽番組を通じて爆発した、といったところでしょうか。
 
 

『Shazam』と『和田アキ子』さんが教えてくれるもの

 
さて、この『Shazam』と『和田アキ子』さんの関係性は、我々音楽人に大いに気付きを与えてくれそうです。
 
まず、音楽をマーケティングする側は、こうした人々のリアルな動向『検索行為』を映すチャートに突如出現する『なぜ!?』を注意深く観察する必要がある。
 
市場でいったい今何が起きていて、その結果ユーザーがどのような行動をしているのか、リアルタイムで把握するヒントになるはず。
 
今回のケースでは、『古い日記』がCMで使われ、テレビ番組で使われ、歌番組で歌われ、世の中の関心が高まるという現象があったわけです。このタイミングで『古い日記』カバー企画等を行っていたら、さらに大きなバズづくりに繋がっていたかも。
 
 
そしてアーティストの皆さんは、いつどのタイミングで自分の音楽が人々の検索対象になってもいいように、準備を済ませておく必要があります。
 
つまり、自分の楽曲をデータベースに登録して、ユーザーの検索対象にしておくことが不可欠だということです。
 
今回も、CMで流れている『古い日記』の替え歌自体が『Shazam』データベースに登録されていた場合は、また違う結果になったはず。
 
この曲を歌っている『Mayu』さん自身の、アーティストとしての認知向上・楽曲の普及に繋がったかもしれません。
 
もしも、このブログを読まれた『Mayu』さん関係者の方がおりましたら、いつでも『Shazam』データベースへの登録、そして楽曲配信をお待ちしております(笑)。
 
『Shazam』へのデータベース登録を希望される方は、ぜひこちらから♪
 
 

 

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