All that Matters 2017 レポート
2017/11/03
先月行われた"ALL THAT MATTERS 2017"、アジアの音楽業界に携わる錚々たるメンバーが揃って、各セッションで議論を交わし、夜は飲みながら交流しました!その数なんと、総勢1500名、30カ国から600社以上、参加バンドも40バンド以上も集まりました!シンガポールのTwitter#トレンドでも1位を獲得するなど、その注目度が伺えるシンガポール最大級のカンファレンス "ALL THAT MATTERS 2017"、今年は、我々も"Gateway to Japan"セッションと、"Music Matters Academy by Youtube"という現地アーティストに向けたデジタル配信のセッションにて登壇させて頂いたので、その感想と今後もし興味があるアーティスト、音楽関係者の方の参考になればと思います。あくまで、ブログなのでその辺ご了承くださいませ。
今年もセッションを通して、アジアの音楽マーケットは順調に成長しているという印象が強く、昨年同様に中国が最も注目されておりました。酷狗音楽、QQ音楽、酷我音楽で中国全土の約8割のデジタル音楽市場を形成すると言われているのですが、それら全てを運営するTencent Music Entertainment Group(以下TMEG)の影響がさらに強まりそうです。TMEGの音楽サービス全体のMAU(月間利用者)は計7億人程度とのことで、これは世界中のYoutubeで音楽を利用するとされている9億人に迫る勢いです。
また彼らの独自調べでは、音楽リスナーの年齢比率が、18才〜27才が53.8%、28才〜37才が10%、18才以下が27.4%と、約90%以上が37才以下という若さとのことで、まだまだ中国の音楽産業の未来は明るいと述べておりました。各国とはちょっと違った定額制であり、世界的に比べると安い音楽定額制の中国と、アドストリーミングのバリューギャップの問題を問われているYoutubeのこの2社が、Pool Partyなるものを実施していたのも、とても象徴的でした。
取扱いの楽曲数に関しては昨年同イベントにて、1500万曲と公表しておりましたが、今年は1700万曲に増加しており、1年で約200万曲とこちらの伸びは、他のストリーミングサイトに比べると比較的少なく海外楽曲がまだまだ取り扱われていない模様です。
また"Music Matters Academy by Youtube"の延長で現地のアーティストの交流をした際に、「日本でライブをしたい」「日本のアーティストとコラボしたい」というものが非常に多く、日本はアーティストからはまだまだ人気であるという事です。但し、現地(シンガポールや、東南アジア)での日本人の活躍、コラボはあまり聞かないという印象を彼らから受けました。また、アーティスト達がもつ関心とは裏腹に、"Gateway to Japan"のセッションは、各国音楽関係者からの日本音楽市場への関心の低さ(中国などと比べて)を目の当たりにすることになりました。人が全然少ない(涙)
日本の音楽市場は「ユニーク」という言葉を様々の人から聞きました。昔はその「ユニーク」が良い響きだったと思いますが、現在はとっつきにくい「ユニーク」の方に入ってきているのではと感じてしまいました。こういった感覚はやはり現地に赴いてはじめて感じれるものであり、ぜひ大勢の日本の音楽人に感じて頂きたいです。また、来年はなんとか日本のアーティストがライブにもっと参加できるようにしたいな〜と思います。
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