“気になるだけさ、気になるだけよ♪”『綿めぐみ』ロングインタビュー(後編)
2015/03/04
今回は綿めぐみさんのインタビュー後編をお送りします!
後編は綿さんのよりパーソナルな部分にTCJ学生アンバサダーのコイズミとイケダが迫りました!また、綿さんのプロデュースを手掛けているOBKRさん率いるレーベル、
Tokyo Recordingsが仕掛けたあれこれについても伺うことが出来ました!是非ご覧ください!!
活動のきっかけやアルバム『災難だわ』などについて伺ったインタビュー前編は
こちら。
*インタビュアー:学生アンバサダー コイズミ・イケダ
*写真:菅野結花
イケダ 作曲者ではなく歌い手として、綿さんはご自身の曲をどのように捉えて歌っていますか?
綿 あんまり考えていないです。色々考えると、今の状況――適当っていうわけではないんですけど、ゆらゆらしてる感じ――がベストなんじゃないかなと思っているので。それを考えると自分じゃない自分が歌うことになってしまうので、そこは深入りしないですね。
コイズミ そういえばアートワークも可愛らしいですよね。
OBKR はらだひかるちゃんですね。これ面白いんですよ。フリーソフトを使ってばっと描いていて。彼女は凄くセンスのある人ですね。今マルチネレコードでも描いてるんですよ。
●綿さんの聴く音楽
イケダ 普段リスナーとして聴いている音楽はどんなものですか?
綿 今一緒に共演している方とか、バンドとか、あまり曲を聴かなくて、アニソンしか聴かないです。
コイズミ ……今、何(のアニメ番組)がアツいですか?
綿 今ですか?アニメ……やっぱ「ペダル」(『弱虫ペダル』。渡辺航原作の自転車競技漫画。)がアツいですね。
コイズミ ペダルかぁ~!ペダルめっちゃヤバいですよね、熱が!
綿 そうですね。
コイズミ ゲーセンとか行っても、めっちゃペダルグッズが多くて、やっぱ(ブームが)きているんだなぁって思いますわ……。すみません、私は「ダイヤ」(『ダイヤのA』。寺嶋裕二原作の高校野球漫画。)好きでして……。ダイヤ見てます?
綿 見てないです。
コイズミ ぜひ見てみてください!スポーツアニメってなんであんなに面白いんでしょうね。
綿 すごいですよね~。スポーツあんまり好きじゃないんですけど、面白い。
コイズミ 二次元になるとなぜか。(笑)
綿 あとはなんだろうな……。「ゆいかおり」(声優の小倉唯と石原夏織によるユニット)ちゃんとか。昔のアニメがすごい好きなので、昔のアニソンばっかり聴くんですよ。
●綿さんの今期の推しアニメは?
コイズミ ペダルのほかはなんか見てます?最近のアニメとか。
綿 最近はなんだろうな……。うーん、アニメの一覧見ていいですか?
コイズミ どうぞどうぞ。
綿 あっ、「デュラ」(『デュラララ!!』。成田良悟原作の池袋を舞台にしているライトノベル。)がアツくて~!
コイズミ おお~!デュラめっちゃ面白いですよね~!
綿 デュラがすっごい好きで、あれのせいで高校1年生ぐらいからずっと池袋に通うようになって、池袋大好きになっちゃいました。
コイズミ 池袋はもう居心地いいですよね~!
綿 居心地良いですよね。もう池袋にしか行かないです。私は。
イケダ (池袋って)都会じゃないですか?
コイズミ 池袋は違うんだよ。(笑)
綿 そう。池袋は違います。(笑)……あとは「艦これ」(『艦隊これくしょん』)とか、「アイマス」(『アイドルマスター シンデレラガールズ』)とか、あと「ジョジョ」(『ジョジョの奇妙な冒険』)も楽しみにしてたんで。ジョジョのエジプト編とか。あとは「ミルキィ」(『ミルキィホームズ』)も好きですね。三森すずこちゃん(ミルキィホームズに出演している声優)かわいい。あとは『ユリ熊嵐』。
コイズミ ユリ熊嵐!熱いですね!!
綿 熱いですね~!
コイズミ なにがきっかけでアニメ好きになったんですか?
綿 上の兄姉が昔っからアニメ好きだったんで。
コイズミ お姉さんが?
綿 お姉ちゃんとお兄ちゃんもいるんですけど……、昔っからアニメ見せられてて、うん。物心つく前からもうアニメしか見てなかったです。
コイズミ いい教育や。
綿 こんなんなっちゃったんですよ。(笑)
コイズミ 私は(アニメを好きになるきっかけが)「ハガレン」(『鋼の錬金術師』)だったなぁ。
綿 ハガレンはみんなが腐女子になるきっかけですよね。私は『コジコジ』とかその辺からだったんですけど。
コイズミ コジコジ可愛い。
綿 コジコジとか、『シャーマンキング』とか。
コイズミ シャーマンキング!初めて買った漫画です!!
綿 ほんとですか!あれが初めて「腐女子なんだわ私」って気づかされた作品でした。
コイズミ なるほどなるほど。漫画とかゲームってどうです?
綿 うーん、漫画は読みますね。漫画は……なんだろうなぁ。何でも読みますけど……、最近買った漫画なんてタイトルだっけな、忘れちゃったな。
最近発売されたやつで、アニメイトさんで面出ししてたんで、買ったんですけど。ファミレスの話で、45歳の男の人を17歳の女の子が好きになるってお話だったんですけど、それが「おう、いい話だ」って思いました。
コイズミ (書店で)面出しされてるやつ見て、気になったら買うみたいな。
綿 そうですね、絵で買います。それと後ろのあらすじ見て買います。
イケダ ……(話が)わからない。(笑)
OBKR わからない、面出しがわからない。(笑)
コイズミ CD屋でもあるじゃないですか。面出し。
綿 こうじゃなくて、こう出されたやつ。(背表紙が出ている状態で棚に差してあるのではなく、表紙が見えているディスプレイの仕方をジェスチャーで伝える)
OBKR・イケダ ああ~!
綿 表面(おもてめん)が見えるように置いてある。
OBKR・イケダ へぇ~。
イケダ アニメとか漫画以外に、他の趣味とかやってることってありますか?
綿 ないですね。
イケダ 音楽は基本的にご自身の活動だけで。
綿 そうです。
イケダ ご自身の曲をちゃんと形にしたのは初めてというか、これまでは音楽活動をしていたわけではなく、「綿めぐみ」は本当に突然始まったプロジェクトなんですね。
綿 突然始まって、今に至るみたいな。
●ライブはまだ3回目
イケダ ライブは今日で何回目ですか?
綿 今日で3回目……今日で人前に姿を現すのが3回目です。(笑)
イケダ どうですか?1回目の時は「緊張してます!」とおっしゃっていましたが……。
綿 緊張しました~。かなり。
イケダ ウォーターベッドとか使ってましたよね。
綿 思ってたよりもふかふかしていて転んじゃいそうになったので、仕舞いました。(笑)
イケダ ライブしている時はどうですか?普段、レコーディングで歌っているときと違うと思うんですけど。
綿 うーん。違いますね。
イケダ 「緊張してます」って言ってたけど、案外緊張しているようには見えなかったです。MCの時に後ろでOBKRさんが話してらしたのが印象的だったんですけど。
綿 天の声、みたいな。
イケダ 1回目は後ろで音を流して歌ってらしたと思うんですけど、バンドセットでやってみてどうでしたか?
コイズミ 1月31日のライブ(YASHIBU vol.2)ですね。
綿 音が生きている感じがしてすごくいいなって思ったし、責任感が生まれました。バンドをやることに。
OBKR でも今日(リハに)遅刻したから。(笑)
綿 場所間違えちゃって……。代官山(Loop)の方に行ってしまって、ほんとすいませんって感じで。
コイズミ 今日綿さんのライブ見るの初めてなんですよ。私。
綿 わー!って、ほとんどそうですよね。(笑)
コイズミ そうなんですけど、彼女(イケダ)は1番最初(のライブ)を見てるから……。どんな感じかなーと楽しみにしてます。
綿 こんな感じです。(笑)
イケダ (1回目のライブは)パジャマで歌ってましたよね。
綿 そうです、そうです。またパジャマで歌いたいなーって実は思ってます。新しいくまのパジャマ買ったんで。
コイズミ くまのパジャマ!超かわいい!!
OBKR そうなの?
綿 最初にくまのパジャマで出たいって話をしたじゃないですか。でもそれが発売するのが遅くて。
イケダ パジャマがですか?
綿 そうです、そうです。
コイズミ パジャマの発売延期!?
綿 で、だからもこもこのパジャマでやったんですよ。でも、くまのパジャマが12月に入荷したのを買ったんで、それで出たいなぁって。
イケダ あと、TUNECOREで配信してくださっている曲が“頼むぞ革命家、私は泳ぐ”だけだと思うんですけど、あの曲にしたのはなぜですか?
OBKR アルバムの中のリード曲というか、まぁキャッチ―な曲を配信したかったんですよ。明日PV撮影するので、それに向けて知ってほしかった。
イケダ そうだったんですね。
OBKR アルバム買ってない人で、買いたいんだけど、何回か目通してもまだ買ってないって人に対するフックにしたかった。……すげぇ戦略的な話になっちゃうんだけど。(笑)
(配信の販売価格は)150円だし。そういう理由でした。
イケダ なんで“災難だわ”じゃないんだろうって(コイズミと)2人で言ってたんですよ。
OBKR (“災難だわ”は)フリーでダウンロードできるんですよ。
コイズミ なるほどなるほど!
OBKR 売る必要なかったんです。
●思いついたら即やってみるのがTokyo Recordings
コイズミ そういえば“都会”のVRMV(ヴァーチャル・リアリティーという技術を用いたミュージックビデオ)が話題ですね。
イケダ 私たちVRが全然分かっていなくて。
コイズミ なんぞや?みたいな感じなんですけど……。
綿 双眼鏡みたいなのを見て、こっち行くと画面もこっちに移動して。
コイズミ 動くんだ!
綿 上見たら上の画面が見えて、下見たら下の画面が見えて、動いてくれる。
コイズミ 360度!
イケダ その映像をあの装置(図)で見ると、視点に合わせて、移動したりできる。
綿 そうですそうです。空想世界みたいな感じ。
イケダ すごい!
コイズミ すごいね、現代だね。(笑)で、(“都会”のMVは)「綿さんと仮想デートする」みたいなシチュエーションで撮影したんですよね。どんな感じですか?
綿 私はデートって知らなかったんですけど。
コイズミ まさかの!
OBKR まあコンセプトはデートって感じではなくて、ちょっと離れて歩いてるんですよね。デートっぽくはないんだけど。「デートできるかのような」っていうフレーズのほうがキャッチーだから。
綿 綿が渋谷歩いているのを見られる、みたいな感じですよね。
コイズミ そういう360度映像が見られるやつって、どのような機材で撮影するんですか?
イケダ あるんですよ、カメラが。
OBKR そう、これくらい(目の前にあるおしぼりを掲げて)の大きさで、両方にレンズがついてて、こっち(片面)が180度撮影できて、こっち(もう片面)も180度撮影できるやつがあって。それを後でソフトで合成すると、360度見える。
コイズミ 現代や。(笑)
イケダ そういう新しい感じのムービーとか、アルバムの
歌詞のサイト(『災難だわ』は紙の歌詞カードが無く、ウェブ上で閲覧できる)とかもそうですけど、今まで他に見たことのなかったような、陳腐な言い方ですけど斬新な試みというか、新しいことをしているのが面白いなぁと思って。しかもTokyo Recordingsって平成生まれのクリエイターで構成されていることを強調しているじゃないですか。その中で、今後こういうことをしたいなど思っていることはありますか?
綿 そういうの全部、この方(OBKRさん)とか他の方が考えてくださってて、「○○して」って言われたらその通りに動くだけなので。別に面白いこと考えてるわけではない。
イケダ OBKRさんのアイディアはどこから出てくるんですか?
OBKR 普段飲み歩いてばっかなんで。友達と。たとえば神泉に「未来会議」っていう東大生とかが集まる割とアカデミックな催しがあって、行ってみたらそこにこじらせた人たちがいて。哲学科の院生とか、「生きるとは何か」みたいなことを考えてる人たち集まってるんですよ。そういうイベントに呼ばれたときに「360度カメラもらったんだけど~。」って言うのを聞いて、「あ、使いたっ。」って思って3日後に“都会”のMVを撮りました。
イケダ おー!すごい!!
OBKR 歌詞サイトもね、お金がなかったからCDの歌詞カードを作れなかったんですよ。作るのは構わないけど「めんどくせえ、誰も見ねえじゃん」って思って。じゃあスマホで(歌詞を)見れるようにしたいな、って思ったんです。で、スマホで一番見やすいサイトってなんだろうって考えたときに、2ちゃんねるのまとめサイトに行き着いて。
コイズミ 2ちゃんのまとめサイトめっちゃ見やすいですよね。
OBKR 見やすいですよね。日本で一番見やすいサイトだと思うんですよ。
コイズミ 確かに確かに。
OBKR 慣れてるしそれでいいかなって。そしたらもうね、どこでも聴けるじゃないですか。
コイズミ そうですね。
OBKR そういう考え方をしてます。
イケダ 思いついたらやってみる、みたいな。
OBKR そうですね。それが多分Tokyo Recordingsにしかできないんじゃないですかね。
メジャーだとあれはこれで、ステップ踏んで、っていう風にしかできないけど。それがやっぱいいんじゃないですかね。
コイズミ なるほど。……そういえば、綿さんにアニソンのタイアップがつけばいいのにって個人的に思っているんですけど。
綿 アニソン歌いたいですね。
OBKR ユリ熊嵐のオープニングさ、(綿さん)ぽくない?
綿 ぽいですね~。
コイズミ ボンジュール鈴木さん(ユリ熊嵐のオープニングテーマを担当している女性アーティスト)ですね。
綿 ほわほわしてる感じ。
イケダ ちょっと話が戻るんですけど、(綿さんが)こういう音楽活動をする前は、どういうことをしてましたか?
綿 何にもやってなくて。高校生のときはずっと学校に行かずに家でひきこもってる感じで。
イケダ 私たちが話してて思うのは、意外と学校に行くとなにかにガーッと夢中になってる人ってあまりいないっていうことなんですけど。(綿さん)アニメがお好きじゃないですか?で、たとえば私たちは音楽が好きっていう風にしていると、いつの間にかちょっと周りとずれてるんですよね。
コイズミ 周りの女の子と距離を感じる時ってありません?
綿 ありますね。なんか高校生の時とかは、「友達に会いに学校に行く」って言ってるクラスメイトがいたんですよ。ちょっとそれは理解できなかった。私はずっと保健室とかにいたんで。確かにずれますね。学校の人たちと合わないですね、波長が。たぶん自分が変なんですけど。もう周りとは合わないまま過ごしてしまいました。最近もほんと、「友達とはなんだろう」っていうのが疑問で。辞書でとかで「友達」を調べてました。
OBKR ……哲学家じゃん!(笑)
前編・後編にまでわたったロングインタビュー、いかがでしたか?
不思議なヴェールに包まれていた綿さんの素顔を垣間見ることが出来ましたね。
インタビュー後は綿さんバンド編成のライブに2人で伺いました。彼女のキュート且つノスタルジックな歌声にバンドのしっかりしたサポートが乗り、それに楽曲の癖のあるメロディがハマって、すっかり魅了されました。
また、ライブ中のMCで、MCが苦手だという綿さんにサポートとして“天の声”が彼女に質問しながらMCを進行していくという他にはなかなかない方法をとっていたのが新鮮でしたし、微笑ましい一面を見ることができました。
現在、綿さんの4回目のライブが決まっております。気になった方は是非、足を運びましょう!◎☆
頼むぞ革命家、私は泳ぐ
single / 01 Dec 2014 / J-Pop
3月22日(日)『ESSENCE』
@渋谷LOOP annex
LIVE:
綿めぐみ
Saoriiiii
Faint★Star
仮谷せいら
空中分解feat.アンテナガール
むすびズム
DJ : マツナガツヨシ(para de casa)
OPEN:17:00 / START:17:30
ADV 2600YEN +1Drink / DOOR 3100YEN+1Drink
■Writer:Koizumi, Ikeda
<TUNECORE JAPAN 学生アンバサダー>
大学生により2014年5月に発足したTUNECORE JAPAN公認の学生プロジェクトです。学生を初めとした音楽アーティストにTUNECORE JAPANを知ってもらうことで、日本の音楽シーンの活性化に貢献し、音楽人口を増やすことを目的としています。
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