『alcott(アルコット)』バンドのチームは、ぶつかってなんぼ (後編)

2015/09/08

『alcott』左から
内田 将之(Gt./Cho.)、貴田 宰司(Vo./Gt.)、谷 里志(Ba./Cho.)、みーたん(Dr./Cho.)
 
TuneCore Japan学生アンバサダーです!
神戸・大阪を中心に活動している4人組ロックバンド『alcott(アルコット)』さんのSpotlight、後編です!
後編は“チーム”を組んで音楽活動をしていくことに関してや、主催されているイベントに関してのことなど真摯にお話いただきました。
*前編はこちら
 

 

ひとつひとつ任せられる仲間を作って行って、チームで動く。これはやっぱり理想のスタイルですね。僕らがやりたいことを、どうやり続けられるか。それを大事にやっていきたいんです。

 
――alcottさんは音楽活動をする上でチームを結成して、意識的に行動されていますよね。
 
谷里志さん(以下、谷):僕たちが活動していく上で、やっぱり協力者が絶対必要だって話を以前からメンバーとしていて。プロモーションとブッキングを担当していただいている金野さんをお世話になっている人に紹介していただいたんです。僕らが主催している“ブタフェス”(毎年11月29日に神戸のライブハウス各所で行われる、alcott主催のサーキット・イベント)っていう企画で、初めて彼に僕らのことを観てもらって。そのあとタッグを組んでやっていきたいと言ってもらえて。チームとしての動きが始まったのはそこからでしたね。どんどん繋がりも生まれてきて、(「その姿は美しい」の)MV監督の藤代さんとも繋がれました。
 
貴田宰司さん(以下、貴田):今までは自分らでなんとかやってきたけど、デザインやMV、プロモーションなど、ひとつひとつ任せられる仲間を作っていって、チームで動く。これはやっぱり理想のスタイルですね。僕らがやりたいことを、どうやり続けられるか。まずそれを大事にしていきたいんです。続けることが一番大事やと思うんで。
 
皆が情報をスムーズに共有できる環境を作ることもそうですが、できるだけチーム全員がフェアでいられる状態を心がける。という感じですね。今は7人のチームでやってますけど、もっともっと大きくして、もっともっと大きな輪になっていければなと思います。仲間を探しているような感じですね。
 
谷:そうやな。
 
谷 里志(Ba./Cho.)、貴田 宰司(Vo./Gt.)
 
――alcottのチームはどのような人がいらっしゃるのでしょうか?
 
貴田:プロモーションとブッキングは金野さん、アートワークはカシワイちゃん。あとはスタッフの森川ですね。事務関係や物販、搬入搬出、運転も手伝ってもらっています。
 
――チームで今後やっていきたい、このバンドをやり続けるために、今後このチームとしてやりたいことってありますか?
 
貴田:一人ひとりの名前を上げたいですよね、やっぱり。僕らが売れることによって。カシワイちゃんがいろんな人からオファーが来るとか。例えば、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)のアートワークやってる方って……。
 
――中村(祐介)さん?
 
貴田:そう、中村さん。どっちが先に名を挙げたかは分からないんですけど、あの絵、アジカンの絵を描いてる人に頼みたい仕事って、あると思うんですよ。交わっていることで、お互いのことを持ち上げられたり、助け合えたらなとは思いますね。まずは僕らが大きなバンドになることで、関わってくれている人にも成功してもらうみたいな……ミックスアップというか、互いに作用しあって上に上がっていけたらいいなと思います。
 
谷:やっぱチームがいないとできないことが多いなと実感してますね。“ブタフェス”っていうイベントは特にそうで、神戸に30~40バンドを集めて5会場とかでやってると、やっぱり役割分担とか、全員野球できるかどうかが大事で。
 
 もっと大きい規模のチームの形はこれから見つけられるんかなとも思います。大きな舞台で……それを言い出したらVJとか、音響のスタッフさんとか。もっと大きくなっていくために、現状あるものをもっとクオリティを上げて、上に行きたいと思ってますね。
 
―――“ブタフェス”のお話が出ましたが、他に“神戸大監禁”というイベントを主催されているんですよね。実際、どういうイベントなのでしょうか?
 

alcott presents 【神戸大監禁】ダイジェスト
 
貴田:“神戸大監禁”は僕らが監視役の警察に、お客さんが囚人になるんですよ。パスの代わりに手錠をしてもらい、囚人のようなボーダー服を着てきてもらうんです。ボーダー服で来場してくれきてくれたら、前売り料金を500円引きにして、音楽好きのお客さんを僕らが監禁する、という趣旨のイベントですね。
 
――面白そうですね!!そういうアイディアってどこで浮かぶんですか?みんなで話し合いとか?
 
谷:みんなでおもろいのやろうぜ!っていう感じで話し合ってますね。僕らがホームにしている“太陽と虎”(三宮にあるライブハウス)っていうハコもかなり変態なハコなんで、ハコの人と話していたらポーンと(アイディアが)出てくるんですよ。「こういうのどう?」みたいな感じで。今までやってきたイベントだとを“大監禁”が一番わかりやすかったと思いますね。イベントの浸透度みたいなのがめちゃくちゃ高くて、もう9割以上はみんなボーダー服を着てるし、場の一体感が生まれて毎回すごくいい形になるんです。結構お客さんも楽しみにしてくれていて、「いつやるんですか?」って言われたりもするんです。
 
―――ちなみに、神戸の音楽シーンって、どんな感じなんでしょう?
 
貴田:神戸はアルカラとか大きいところもいたり、かたやThe fin.のようなバンドも出身は神戸で、独特なシーンですね。大まかにいうとロック調が多いのかな、関西は。KANA-BOONとかもね。そういう大きいバンドが関西の雰囲気を作ってますね。
 
内田将之さん(以下、内田):ライブハウスごとにめちゃくちゃキャラクターがあるんですよね。“太陽と虎”やとすごいツアーバンドがごろごろ入れ替わり来る。“神戸ART HOUSE”だとギターロックシーンが集まってて、“神戸 BLUEPORT”とか“神戸 KINGS CROSS”だとメロコアだったり。面白いですね。だからアルカラもネコフェス(神戸で行われる、アルカラ主催のサーキットイベント)をやってますし。
 
谷:本当に独特なんです。
 
みーたんさん(以下、みーたん):かなりジャンルレスですね。
 

アルカラ「偽り」
 

一番大事にせなあかんことは、ライブですね。

 
―――では、2010年の結成から今までに5年間活動されてきたかと思いますが、ここまで音楽活動を続けてこられた理由って何だと思いますか。お話を聞いていると、本当にいろんなことがあったかと思いますが。
 

谷 里志(Ba./Cho.)、貴田 宰司(Vo./Gt.)、内田 将之(Gt./Cho.)、みーたん(Dr./Cho.)

貴田:やっぱりちゃんとぶつかってきたからかなとは思いますね。大事なところで骨を折ったというか、ちゃんと傷ついたからこそ、ちゃんと強くなれたというか。本当にちっちゃなことでメンバー内で何回もケンカしてきたけど、それでもやっぱり僕にとってのalcottはもうこの4人じゃないとな、というのは常にあって。
 
ドラムが結構抜けることがあって、すごく不安定だったんですけど、それでも、僕はすごい極度の人たらしなので、1回繋がったら離したくない、絶対一緒にいたいと思うんで。続けてこれた理由は、やっぱりちゃんとぶつかってきたからかなと思います。一緒におるために、お互いがお互いにちゃんと歩み寄っていけたからこそ、今の関係があるのかなと思いますね。
 
みーたん:私も同じような感じで、レコーディングで悩んだりとか、いろいろぶつかったこともあったんですけど、この人たちだったからこそぶつかってこれたっていうのがあって。
 
alcottに入る前までは、ドラムは本当に趣味でやってた感じなんですよね。今みたいにバンドを本格的にやってるのって、alcottが初めてで。だから、うちが(alcottで)どこまでできるのかな?力量不足じゃないかな?とか、いろいろ考えたりとかするんですけど。仲間が居なきゃ、本当にもうバンドせんぐらいの勢いやったんですよね。仲間がいたから、この子らと一緒に音楽したいなって思えたから、続けられたと思いますね。この子らのためにも、うちもしっかり頑張ろうと思えたし、もっと音楽を好きになれたし、やっぱり宰司くんの作ってる音楽も好きになってくるし。このメンバーじゃないと、この音楽作れないかなって。一緒にやっていきたいなと思いますよね。この子らがおることが続けている理由です。
 
内田:この子らって、お母さんみたいやね(笑)。
 
僕も貴田とみーたんが言うように、向き合ってきたからこそ続けられた。自分が病気をしたということもありますし、そこで止まるぐらいやったら、別のメンバーを入れるって方法もあったんやろうけども、待っていてくれた。っていうのも、それが凄いでかかったですね。
 
 あと、何より貴田が作る音楽が、刺激を受けるというか、くすぶられる。「どんな音乗せたろう」ってすぐ思うんです。そこが何よりでかいですね。向き合ってきたことと、貴田が作る曲、音楽と歌詞が魅力的で、ここでしか弾けへんなって思うぐらいの曲をしっかり出してくれるんで。それを自分のギターであったり、リズム隊でしっかり引き立てて、お客さんに届けたい、その思いを胸に続けてますね。
 
谷:最近、特に思うのは、このバンドでやりたいことが多すぎるというか、まだまだやりたいことがあるんですよね。音楽ってもちろん僕も好きですし、もともとは人間が好きやから、一緒に居られるからやってきたところが大きかったんですけど、それが今は段々音楽のほうにシフトしていって、こういう音楽やりたいなというイメージが、4人で今のアルバムを作ってから、かなり明確に見えてきたんです。今回の2枚のアルバムは作れて本当によかったなと思います。けど、この2枚はまだまだ通過点だし、ほんまに一歩踏み出したレベルなんで、もっといいものが今後できてくると思うし、その期待感がかなり大きいですね。
 
やりたいことはまだまだあるんです。やり終わるのに何年かかるのかわからないですけど。だからこそ続けられるっていうのが、自分の中ではありますね。まだまだ、ここでは終われないです。
 
(7/30、O-Crestのライブ写真)
 
―――最後に、今後の展望についてお聞かせください。
 
貴田:何より、良いライブをし続けるということですね。お客さんが来て、そこで盛り上がる、ノってくれる。そのためにもっと楽しめる空間づくりをする。もちろん、やりたいことはどんどんやっていくべきだと思うんですけど、一番大事にせなあかんことは、ライブですね。ライブでお客さんを楽しませ続けるということが、僕らの使命かなと思ってます。
 
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【LIVE Info.】
 
9/18(金) 神戸太陽と虎
9/23(水) 神戸太陽と虎
9/26(土) 「独断と偏見」心斎橋Pangea,CLAPPER
10/24(土) 「ミミノコロックフェス 2015」吉祥寺4会場
10/26(月) 心斎橋JANUS
11/29(日) 「BUTAFES 2015」神戸5会場
 
詳細はこちらから
 
 
alcott

2010年8月結成。2013年3月に現在の編成となる。アーティストとしての新しい在り方、表現方法を描く。神戸出身の四人組のロックバンド。

 

Written by TuneCore Japan 学生アンバサダー コイズミ

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