ゴスペルからJ-POP、自由なルーツが生む『LakeHip』 (後編)
2015/10/06
前回に引き続き、LakeHipのインタビューをお送りします。後編では、引き続きEP『HOPE』をめぐるエピソードや、メンバーの皆さんの音楽的ルーツ、さらに音盤／配信どっち派？というお話まで伺っています！
→前編はこちら
“HOPE”は名刺代わりの一枚
――（レコ発が）楽しみです。ではEPのコンセプトや、こういうものにしたい、という想いなどはありましたか？
メンバー一同：うーん……
一條：でも私としては、このEPは「名刺」というような感覚ですね。みんな別のところで音源出してはいるけれど、やっぱりこの3人のものはなかったから。
森：そうそうそう、「こんなことやっているよ」って示したような感じですね。作りたかっただけっていう部分もありますけど、楽しみにしていてくれた人もいましたし。
加部：本当に、やりたいことをやりたいだけやったよね。
――なるほど。……そうだ！3曲目の“Vanilla Blue”、このタイトルは何に由来するんですか？
森：それ！それ聞こうよ。
一條：盛り上がったよね。上手く話せる？加部ちゃん。
加部：んん……。いや、あの、あれです、気づくとバニラの香りが好きなことが多いなあと思いまして……。
一條：意味わかんない。(笑)
――実は、調べてみたところ“Vanilla Blue”という曲が既に存在していまして、それがめちゃくちゃパンクなんですよ。（Naked Raygunの曲）
一條：あはは！そうなんだ！まあこの曲にはさっきのバニラの香りにまつわるエピソードと、ちょっと切ないような感情がね、あるんですよね？加部ちゃん。
――これをインスト曲にした理由はあるんですか？
加部：正直な話、歌詞を書けたら言葉で歌にしたいんです。でも歌詞を書くのがあまり得意ではないので、ギターで言いたいことを言って、伝えたい気持ちを伝えています。
皆ルーツは違うけれど、それが上手いこと混ざった
――iTunesではEPをR&B／ソウルのジャンルに設定されていますよね。それから一條さんはモータウンナイトという企画にも参加されていました。LakeHipの曲を聴いていても思うのですが、やはりR&Bなどがお好きですか？
一條：私は好きですね。私はコーラスグループに所属しているのですが、モータウンナイトはその中でもそっち寄りの音楽が好きな人で集まって企画したんですよ。
森：僕はドラムを始めたときからずっとゴスペルをやっているので、専らブラックミュージックですね。教会に行ってそういう音楽をずっと聴いていたので、思春期の僕にはブラックミュージックしかなかったです。そこから“HOPE”みたいな曲調も来ているんじゃないかな。
加部：僕はJ-POPが好きでした。というか、今でも大好き。色々な音楽のジャンルの要素を取り込んだJ-POPが好きなので、自分が影響を受けたところと言えばサザンオールスターズとかですね。様々なものを融合させて自分のものにしているっていうのが凄く好きです。あとはポルノグラフィティやaikoさんもよく聴くと凄い。ジャニーズも好きです。参加しているミュージシャンや作曲者が凄い人ばかりですよね。
一條：カッコいいよね！サウンドが。
加部：2000年最初あたりの青春パンクも良いですね。175Rとか、モンパチ（MONGOL800）とか。自分が音楽をやるにあたって、気持ちの部分では青春パンクの影響が大きいかもしれないです。高校時代は「ノンシュガー」っていう青春パンクバンドでギターボーカルをしていました。
一條：ノンシュガー！ださい！(笑)
加部：いやいやいや！ちゃんと意味あるから。甘くない、ほろ苦系青春パンクバンドです。
――一條さんは、具体的にはどんな音楽でしょうか？
一條：私はダンスもやっていたので、ダンス系の曲が凄く好きですね。ビヨンセが大好きです。Crystal Kayちゃんも好き。
――ご自身が歌う時にそういった方を意識するところもありますか？
一條：歌い方はあんまりないんですけど、パフォーマンスはビヨンセ超リスペクト！ですね。魅せ方とか。
――皆さん全然違うところにルーツがあるようですが、アレンジをするときにかち合う部分などありませんでしたか？
一條：確かにだいぶバラバラですね！
森：全然違うけど、上手いこと混ざってるんじゃない？
――J-POP好きな加部さんが作ったのに、R&B寄りだったり。
加部：そうは言っても僕も色々なジャンルが好きなので、自分で作るとドPOPにはならないんですよね。だからそんなにぶつからないですね。POPな要素はありつつ、という感じで。
森：うん。それに、みんながわりとやりたいことをやって、それを周りが否定しないスタンスだったのも大きいかもしれないですね。悪い言い方をすると、各々がやることに干渉はしていなかったです。「ここはこうしたい」って言えばそのまま通ってましたね。妥協するところはお互い妥協して。
加部：妥協って言っても、誰かが「こうしたい」って言ったときに周りが「えー」ってなることもなかったよね。
森：なかったね。
一條：「あ、それいいね！」ってなって、アイディアをそのままやってみる感じだったね。
配信だけなら本当に手軽で低コスト。
――今回のEPは、CDというフィジカルな形と配信（iTunes、Apple Music）、どちらでも出されていますよね。両方でのリリースという選択に何か理由はありますか？
森：もとはCDを作ろうとして始めたのですが、CDよりもっと気軽に聴ける環境があってもいいかな、と思って。実際配信したことによって色々な人が聴いてくれましたね。
一條：うん。CDに関しては手で欲しいと言ってくれる人もいるので、会って渡すことも多いですね。私も凄く音盤が好きなんですけど。
――それ聞こうと思っていました！皆さんは音盤・配信どちら派ですか？
一條：私音盤派！でも最近は結構ストリーミング聴いてる。
森：僕もApple Music使ってます。流れるだけひたすら聴く。
一條：最近は、車の中でストリーミングサービスを使って繋げて「今日は○○な気分だ！」みたいな感じで流していたりとか。「あの時のあの曲を聴きたい！」と思って探したりしますね。それがこの間はm-floだった！
加部：僕もどちらかというとストリーミングを使いますね。時代に流されているというか。
――でも、さっきおっしゃっていたJ-POPとかアイドルソングは配信されていないことも多いですよね。
加部：そうですね。（CDを）借りたりもします。
――それから、配信に使って頂きありがとうございます。いかがでしたか？
加部：こんな簡単に出来ちゃうんだ、と思いました。審査に出すまで15分くらいでした。記入して音源貼って送信して……そしたら完了していて、「もういいの！？」って。(笑)「ここからもう１，２週間待つんだろうな～」と思っていたら、その日のうちに「終わりました」って連絡が来て。
一條：それを知って私たちも「嘘でしょ！」ってなったよね。
加部：手軽だなとも思います。例えばCD作って売るとなるといろんな面でかなりお金がかかりますが、もし配信に絞るなら本当に低コストで流通出来ると思いますね。ちなみに一昨年のAgeStockとのキャンペーンで初めて知りました。
――最後に、これからLakeHipとしてやってみたいこと、目標などはありますか？
森：定期的にこうやって活動していきたいですね。今回のCDももとは遊びで作ろうかと思っていたのですが、今となっては2ndも作りたいよね。
一條：曲増やしたくなってきたよね！
加部：CD作ってライブをして、っていう流れは続けて行きたいですね。
【ライブ情報】
12月16日（水）
Lake Hipレコ発ワンマン ライブ
@三軒茶屋Grapefruitmoon
Lake Hip
vo)一條絵美、gt)加部輝、dr)森良音で編成される3人組ユニット。
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