「I-DEFY」( = I-D [Independent] + DEFY [権力になびかない])では、インディペンデントなバックグラウンドを持つゲストを毎回迎え「今の時代のインディペンデントとは?」をテーマに、MCの武田俊(編集者/メディアリサーチャー)とトークを展開。トークを通じて今の時代にアップデートしたアーティスト活動を行うための幅広い知見や気づきをシェアします。この回ではdodoさんをゲストに迎えてお届けします。
dodo プロフィール
ラッパー/トラックメイカー。楽曲「im」はMVがYouTubeで1,300万回再生を突破(2023年11月時点)、ストリーミングにおいてもSpotifyのみでも1,300万回再生を超える。楽曲だけでなく、その活動スタイル、ムーブは独自の存在感を放っており、ヒップホップヘッズに限らず若い世代を中心にジャンルを越えたファンベースを築き上げている。ネットでも多く見られるリスナーからの声「辛いときdodoちゃんの曲に救われた」、そんな世界観を届け続けている。tofubeatsやDJ RYOW、KM、荒井優作、doooo、MANONらともコラボレーションし、同業アーティストや関係者からの評価も高く、様々な雑誌やメディアでも特集が組まれ、NHK番組でも楽曲がエンディングテーマに起用されるなど、インディペンデントなスタンスながらその活動規模は日増しに大きくなっている。
いちばん最初のリリースはひとりぼっちのネカフェから
dodoさんは「インディペンデントを目指していたわけではなく、音楽で生計を立てたいだけだった」と語ります。高校生から音楽の夢を抱き、大学で活動開始も一度は普通に就職。その後、友人から知った「TuneCore」で曲をリリースし、YouTubeやSoundCloudでもファンを増やしました。卒業後も飲食業で働きつつ音楽活動を続け、「im」がTikTokでバズり転機に。YouTubeのMVやフジロック経験も成功のカギとなったと話します。
「ラブをあげるとラブが返ってくる」
インディペンデントのメリットとデメリットについて、アーティストは自由に活動できるけれど、締め切りがなく、チーム力が欠けることも。メジャー契約のアーティストは大規模な制作費やサポートが得られる反面、自由な表現が制限されることもある。dodoさんはインディペンデントなアーティストを個人経営のラーメン屋に例え、大手チェーン店との違いを説明。大手のサポートを受けず、自分の理想を追求できる点が魅力だと語ります。また、TuneCoreとの出会いをきっかけに、「ラブを与えるとラブが返ってくる」という考え方を大切にし、メンタルとクリエイティビティをコントロールしています。
とにかく楽曲のクオリティを追求し続ける
dodoさんは2010年代半ばからインディペンデントアーティストが作品を発表しやすくなったと感じています。音楽のクオリティは非常に重要で、成功している曲を聞いて分析することで自分の音楽を向上させることができ、特にヒップホップや日本語ラップでは、ジャンル特有のクオリティ要件を理解することが必要、と音楽シーンを分析しています。人気曲を研究し、自分のクリエイティビティに変化をもたらすことも大切です。また、試行錯誤を続け、失敗を恐れずに自分の作品を発表し続けることが成功への鍵だと語ります。
About I-DEFY
「I-DEFY」の背景
「インディペンデントなアーティストが地上波に出演し、チャートのトップにもなる現在。 DX、個人の発信力の高まりにともない、大きな資本に所属せずともサスティナブルなアーティスト活動が可能な時代が到来しました。 メジャーとインディペンデントの垣根はある意味なくなっています。 しかし、ドラスティックな変化でもあるため、アーティスト自身が、独力、インディペンデントなスタンス、DIYで今の時代にあわせて無理なく活動するロールモデル、知見は世の中にまだ多くはありません。 そんな状況の中、I-DEFYではインディペンデントなバックグラウンドを持つゲストとともに『今の時代のインディペンデントとは?』をテーマにトークし、アーティスト/クリエイター/リスナーへ新たな知見をシェアしていければと考えています」
I-DEFY Credit
Produce : TuneCore Japan
MC:武田俊(Media Researcher / Editor)
ロゴクリエイティブ : STUDIO TOKOYO(koh、たかくらかずき)
Intro : 「All for Independence (Type-B)」(Composer / ES-PLANT)